皮脂欠乏症(ひしけつぼうしょう)について…平成26年3月

今の季節、特に『皮膚が乾燥してカサカサする』『皮膚が粉をふいたようだ』『とにかくかゆい』『秋から冬になると症状が出やすい』と思っておられる方・・・・・・。  それは皮脂欠乏症かもしれません。

1.皮脂欠乏症の症状
皮膚の表面の脂が減少することにより、皮膚の水分が減少して乾燥を生じる病気です。 
はじまりは、皮膚が乾燥し角質がはがれてかゆみも伴っています。
ひどくなると、カメの甲羅のように皮膚がひび割れ、少し赤くなって、かゆみも強くなっていきます。
さらにひどくなると、皮脂欠乏症湿疹になって、かゆみもひどく、夜中に目がさめるほどです。
2.症状が出やすい部分
最も多いのは膝下(すね)です。太ももや腰まわり、わき腹などにもよく現れます。
3.皮膚のうるおいを保つ3つの物質
  1. 皮脂…皮脂腺から分泌される脂のことです。汗などに混じって皮膚の表面を覆い(皮脂膜)水分の蒸発を防ぎます。
  2. 角質細胞間脂質…角質細胞と角質細胞の間の隙間を埋めている脂のことです。水分をサンドウィッチ状に挟み込み逃がさないようにします。
  3. 天然保湿因子…角質層にあるアミノ酸や塩類などのことです。水分をつかまえて離さない性質を持っています。
皮脂欠乏症では、これらの物質が少なくなっていて皮膚が乾燥しやすくなっています。
4.皮膚の乾燥を引き起こす要因
  1. 加齢…うるおいを保つ為に必要な物質が加齢に伴って減少します。女性の方が男性よりやや早い年代から皮膚の乾燥が始まる傾向にあります。
  2. 季節…空気が乾燥しやすい秋から冬にかけて多い。
  3. 生活習慣…体の洗い過ぎや、冷暖房のきかせ過ぎなど。
  4. 疾患・治療…アトピー性皮膚炎などの乾燥を伴う皮膚疾患、糖尿病などの内臓疾患、血液透析や一部の抗がん剤治療など。
5.日常生活で気をつけること
  1. 入浴のポイント
    • 熱いお湯や長風呂は避けましょう。
    • タオルは綿タオルや手などでやさしく洗いましょう。ナイロンタオルなどで ゴシゴシ洗うと皮脂をとりすぎてしまいます。
    • 石鹸やシャンプーの成分が残らないようによく洗い流しましょう。
  2. 生活環境
    • 空気が乾燥すると皮膚も乾燥してかゆみもひどくなります。加湿器などで適度な湿度を保ちましょう。冷暖房のきかせ過ぎにも注意しましょう。
  3. 肌着は刺激の少ないものを着用
    • 直接皮膚に触れる衣類はチクチクしない刺激の少ないものを着用しましょう。
  4. 掻かないことが大切
    • かくと症状がひどくなって赤みのある湿疹になったりします。できるだけ掻かないようにし、爪は短く切っておきましょう。
  5. 刺激物は控えめに
    • アルコールや香辛料などの刺激物をとると体が温まりかゆみがひどくなります。とりすぎないようにしましょう。
6.保湿剤の塗り方
  • 皮脂欠乏症の治療は、保湿剤を塗ることが基本です。症状を悪化させないよう早めに医師・薬剤師に相談し、保湿剤を塗りましょう。
  • 保湿剤はクリーム、ローション、軟膏など様々な種類があります。季節や症状に合わせて選ぶと良いでしょう。
  • 保湿剤は朝と夜と2回塗りましょう。特に夜は風呂上りが効果的です。
  • 湿疹(赤み)が場合はステロイドの塗り薬でかゆみが強い場合は抗ヒスタミン、抗アレルギー薬の飲み薬などで治療することもあります。

参考資料:マルホK.K「もしかして皮脂欠乏症?」パンフレット

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